事業を行っていると、受発注や業務の請負等で契約書を締結することがあると思います。通常に契約が満了すれば、特に気にすることもないのですが、何かあったときは契約書にどんなことが書いてあるかが非常に大切になります。今回は、その契約書をチェックするポイントをご紹介していきたいと思います。
目次
契約書チェックの重要性
中小企業の場合、自社で契約書を作成するよりも、相手方から契約書を渡され契約をすることが多いかと思います。その際に、契約書について、自社に不利益な条項等が含まれていないかをチェックすることは非常に重要です。何もなく契約が満了すれば、まったく問題ないですが、例えば契約後にやっぱり解約したいとなったときでも、解約違約金が発生したり、1年間は解約ができないという契約もあったりします。安易に契約をしてしまった場合でも、契約が成立している限りは対抗することは難しく、無駄な出費や労力がかかることになってしまいます。
そのため、契約書を締結するときには、確りと契約書をチェックすることが重要になるのです。
契約書チェックのポイント
では、契約書をチェックする際に、どんなことに気を付けてチェックすればよいかをお伝えしていきます。
自社にとって不利な条項がないかを確認する
これが一番重要なポイントになりますが、自社にとって不利な条項がないかをまずは確認します。具体的には、料金支払いの時期、何かあったときの損害賠償の請求について、解約の場合の手続き等、直接的に金銭が絡む条項は特に注意深く確認しましょう。また、それ以外にも、業務の期限が無理のない範囲かや、提供する役務等が著しく一歩的でないかなとも確認するポイントになります。
用語等の不明点を確認する
契約書はとかく法律用語で書かれており、よくわからない時が多いです。その場合は、そこの意味をお互いに確認し、記録に残しておくことが重要です。契約書は往々にして解釈が分かれるような条項があったりします。お互いにどう思っているかを確認し、記録化しておくことで、何かあったときでも、解釈論争を引き起こさずに済みます。
関連する契約書も確認する
契約書の中には、他の契約書を参照するタイプのものもあります。その場合は、面倒ではありますが、その関連する契約書も同じようにチェックする必要が出てきます。多い例としては、売買契約書を締結するときに、秘密保持契約は、その前に結んだ秘密保持契約の内容を参照する、などのようなものです。
トラブルを想定した内容にする
特に今まで継続的に取引をしてきた間柄の取引先とは、トラブルを想定した形での契約書は締結しずらいかとは思います。但し、具体的に解約時や情報漏洩事故等が発生した時の対応などを契約書で決めておくことで、何かあったときもお互いに労力なく対応することが出来ます。そのため、確りとトラブルも想定しいた形での契約書を作りこむ必要があります。
関連する法令や判例を確認する
契約書にない法律的なことについては、法令や判例に従って処理がなされるため、関連する法令や判例を確認しておく必要があるということです。特にその業界に特有の法律がある業界(例えば、不動産業界等)については、関連する法令等を知らないと仕事になりませんので、最低限のところは抑えるようにしてください。
契約書の内容が、目的や取引実態に即しているか確認する
例えば、業務の委託を目的として業務委託契約書を締結しようと考えているときに、全く関係のない売買の条項等が入ってる等、契約書が目的に即していないことがたまにあります。そういった場合、取引後にトラブルが発生したりすることがありますので、確実に修正するようにして下さい。
まとめ
契約書は当然ながら、法律用語が並んでおり、慣れるまでは非常に読みにくいです。但し、①自分の不利になることを許容しない、②とにかくわかりやすく書く、③起こる可能性が低いトラブル対応も、入れておく、の3点を気を付けていくことで、ぐっとリスクを下げることが出来ます。ぜひその観点で契約書チェックをしてみて下さい。