金融機関が行う与信管理とは何か

財務与信判断

金融機関は、与信を判断して融資を行った後も定期的に融資先に対して、様々な情報提供を依頼してきます。その概要と、それがもつ意味について解説していきたいと思います。

与信管理とは何か

融資をするときは売上もあがって利益が出ていたとしても、それがずっと続いているかは都度確認しないとわかりません。取引先の状況を都度確認し、その確認結果を分析して、財務状態が悪化していないか等を管理していくことを、与信管理と呼びます。与信管理は将来再度の融資申し込みをする際に重要になってきます。財務状態が良好でなくなると、追加の融資を申し込んでも断られてしまうからです。

与信管理の流れ

では、実際に与信管理とはどのような流れで行うものなのかを見ていきます。

決算書を受け入れる

年に一度、決算書が出来たタイミングで金融機関は決算書の提出を求めてきます。会社の業績を確認するには決算書が確実ですし、また、税金をちゃんと納付しているか等の情報もわかるので、金融機関にとっては必須の書類となります。

格付を実施する

融資の申し込みの時にもありましたが、金融機関は毎年一度、決算書を受け入れた時に、企業の格付=ランク付けを更新します。これを使って、前年度よりも財務状態が悪くなっていないかを判定します。

格付は、以下のような区分になっています。

正常先財務状態が良好な先
要注意先返済の延滞が発生している先
破綻懸念先経営破綻の可能性がある先
実質破綻先実質的に経営破綻に陥っている先
破綻先破産等を行い実際に破綻している先
格付の区分
正常先
財務状態が良好な先
要注意先
返済の延滞が発生している先
破綻懸念先
経営破綻の可能性がある先
実質破綻先
実質的に経営破綻に陥っている先
破綻先
破産等を行い実際に破綻している先
格付の区分

上記の正常先の中でも財務状態によっていくつかの区分に別れており、格付が良い場合は金利が優遇されるなどの特典がある場合が多くなります。

試算表などで業績をチェックする

決算書は年に一度しか作成しませんので、その間は定期的に試算表を受け入れて業績を確認しています。そして、試算表で急速に業績や財務状況が悪化している場合、基本的に年に一度しか実施しない格付の見直しを臨時で行うこともあります。

そのため、試算表を出すタイミング・数字に関しては、よく確認したうえで提出するることが重要になってきます。

与信管理の流れ

まとめ

金融機関は融資を実施したあとも、決算書・試算表の受入で取引先の業績・財務状況を逐一把握してきます。一昔前であれば、業績・財務状況が悪いと貸しはがしのようなこともありました。今はそういったことは少なくなりましたが、今後景気が悪くなってきたときに、貸しはがしまではなくとも、貸し渋りは発生する可能性はあります。そうなったときにでも必要な資金の融資を受けられるように、日々対策をする必要があります。

金融機関との取引の仕方についてお悩みの場合は、ぜひ弊社にご相談ください。

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