金融機関が与信(融資)を判断する手順と方法

財務資金調達与信判断

金融機関は融資の申し込みを受け付けると、その取引先に対して融資ができるのか、できるとすれば金額はいくらまでなのか、といったことを判断します。今回はその過程の概要について解説していきたいと思います。

金融機関の融資実行までの流れ

金融機関は、初めての取引先から融資の申し込みがあった場合、以下の流れで作業を行っていきます。

申込受付

まずは、融資の申し込みを行いますが、その際に会社の最低3期分程度の決算書の提出を求めます。また、その際に社長の人となりを面談を通じて確認してきます。

合わせて登記簿謄本や試算表なども提出を求められます。

審査実施

その後、融資の申し込みをしてきた会社の財務内容から格付と呼ばれる、企業のランク付けを行います。この中で、決算書にのっている資産などが本当に資産価値があるのかや、会社だけでなく社長個人の資産があるか等についても、パソコンに入力し、最終的な格付を決定します。

そのうえで、今回の融資の申し込みの資金使途を確認し、稟議≒書類を作成していきます。この書類を提出し支店長または本部の偉い人に融資をしてもよいかの承認を得ます。

融資実行

審査を通過すると、晴れて融資を受けることができます。この際、新規であれば口座を作成したり、その他契約を締結したりといった事務手続きを行います。

融資実行までの流れ

与信判断のポイント

与信判断は、上記の審査実施の時に行われます。そのポイントとなる点は、主に以下の3点です。この点を気を付けていくことが、融資を受けるための必須項目となってきます。

面談時の質問は確り答える

融資を初めて申し込むとき、金融機関の担当者との面談があります。その際に、①事業内容、②融資の使い道、③自己資金はいくらくらい入れるのか、の3点は必ず聞かれます。そして、その受け答えが大きく与信判断に影響します。そのため、事前に上記3点についての自社なりの回答を考えていくことが重要です。また、信頼感を与えるような服装等、細かい点にも気を付けて面談に臨む必要があります。

資産に評価を下げるものを入れない

これは、上に出てきた格付の時に重要になるのですが、金融機関は独自に資産を評価して、決算書上は価値があるとされているものでも、評価によってその価値を最悪の場合、0まで下げて会社を評価することがあります。そうなると、企業のランク付けである格付が低くなってしまい、融資を受けられる可能性が下がってしまいます。格付が下がると問答無用で融資を断ってくる金融機関もありますので、この点は注意が必要です。そのため、資産の中にあらかじめ評価できないものがある場合は、決算のタイミングで利益が出ている場合は除却してしまうなどの対応が必要になります。

資金使途を明確にすること

これは、上に出てきた稟議作成のところに係ることなのですが、金融機関は自分が行う融資が何に使われるのかをかなり注意深く見ています。例えば、自社が運転資金でお金を借りたいと思い融資を申し込んでも、財務内容から運転資金が間に合っていると判断すれば、運転資金を名目にした融資を受けることは非常に難しくなります。融資を申し込みたいときは、運転資金が回っていないというよりも、赤字になって厳しいという時が多いかと思いますが、そういった赤字資金に、金融機関は及び腰になるのです。そのため、本当は赤字資金を借り入れたいときでも、その理由では借りられないため、何かしらの理由を付けて融資を申し込む必要があります。金融機関の取引担当が優秀な営業マンであれば、資金使途は金融機関の方で考えてくれたりもしますが、基本的にはそこまでを期待するのは難しいものです。融資の稟議にハンコを押してもらえるかそうではいかは、この資金使途の説明がカギを握るといっても過言ではありません。

この資金使途を明確にすることが、融資の申し込みをするときには一番重要になりますし、一番難しい点でもあります。

まとめ

今回は金融機関が与信(融資)を判断するときの流れとポイントについてご説明しました。特に面談や決算書は事前準備が出来ます。但し、資金使途については、金融機関の見方がわかっていないと、なかなか正しい資金使途を作るのが難しいものになります。

弊社は、金融機関で長く融資の担当として働いた経験からこの点はかなりの知見がありますので、もし融資の申し込みをしたいのだが、なかなか融資を受けるが難しそうということがあれば、ぜひ弊社にご相談ください。

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