事業を行っていると、正しい決算が鉄則ですが、金融機関からの融資を受けるために粉飾決算をしてしまう誘惑にかられることもあるかと思います。ここでは、バレやすい粉飾の手法について解説していきたいと思います。
目次
粉飾はいずれバレる
業績が悪化してくると、金融機関からの融資を継続するためにもなんとか黒字にしておきたい、といった気持から粉飾に手を染めたくなることが往々にしてあります。そして一度だけのつもりが、二度三度とはまっていき、ついには粉飾から抜け出せなくなる、そんな話もよく聞くと思います。
粉飾はいずれバレます。但し、その中でもバレやすい粉飾というものがあります。意を決して粉飾をして、すぐにバレてしまっては何のためにやったのかとなってしまいますので、以下では、バレやすい粉飾についてご説明していきたいと思います。
バレやすい粉飾
決算月だけ大きな売上が計上されている
業績を良く見せようとするために、決算前に焦って、本来は翌月・翌期以降に計上する必要のある売上を計上してしまう手法です。
この場合、決算月の売上高だけが過大になり、また翌期の最初の売上が大きく落ち込むことなります。翌期の最初にもっと大きな売上を上げられればいいですが、そういう状態であれば、粉飾はしていないと思うます。このケースは、毎月の売上などを見られた場合に、粉飾の可能性が高いことが見抜かれてしまうのです。
売上が減って、原価率も減っている
売上が減少している場合、通常は原価は上昇するのが一般的です。それにもかかわらず、売上が減少して、原価も減っている場合は、在庫を増やしていることが容易に想像が出来ます。そのため、売上が減少しているのに在庫が増えている理由を説明できなければ、すぐに粉飾を見抜かれてしまいます。
減価償却費が少ない
これは、固定資産の減価償却費を少ない金額にすることで、利益を水増しする方法です。但し、減価償却費というのは、決算書類のなかに含まれる、法人税別表十六「減価償却資産の償却額の計算に関する明細書」という書類で確認することが出来るため、償却限度額よりも少ない金額の減価償却費が決算書に掲載されていれば、すぐに粉飾だとわかります。
ここでは代表的な例を挙げましたが、これ以外にもまだまだバレやすい粉飾方法があり、金融機関は粉飾と気付いて付き合っている可能性があることに注意して下さい。
粉飾に手を染めないために
粉飾はいずれバレる、そしてその中でもバレやすい粉飾についてご説明してきました。やったらなかなか抜け出せないのが粉飾です。それでは、粉飾に手を染めず、金融機関との付き合いもうまくやっていくためにはどうすればいいのでしょうか。これには裏技などはなく、業績を丁寧に説明し、事業が上手くいっていない時は、改善する見込みがあることを計画などを示して理解してもらうことにつきます。
そのため、金融機関対応ができる人材を社内・外でも確保していくことが大切になります。もし、金融機関対応でお困りの場合は、ぜひ弊社にご相談ください。