損益計算書をもっと詳しく!

財務資金調達与信判断

「損益計算書」はその会社の1年間の売上が分かり、その売上を上げていく中で出た費用もわかります。この「損益計算書」の中で特に重要なのが「利益」です。「利益」は最終的に会社に残るものになります。利益には様々な種類があるので、本記事でそれを詳しく解説していこうと思います。

損益計算書には何が表されている?

収益、費用、利益が表されている。

「損益計算書」では、その会社が1年間でどれくらいの収益を上げ、そのためにどれくらいの費用を支出して、収益を上げたがを知ることができます。売上から費用を指し引いたものが利益です。主に収益には3つの種類があり(売上高、営業外収益、特別利益)、費用には5つの種類があり(売上原価、販売費及び一般管理費、営業外費用、特別損失、法人税等)、利益には5つの種類(売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益)があります。この中で特に重要な「利益」を中心に「収益」と「費用」等も見ていこうと思います。

1. 売上総利益

「売上総利益」は、「売上総利益」=「売上高」-「売上原価」の形になります。

まず「売上高」とは、その会社が1年間で本業で稼いだ総額を言います。ここでの本業の定義とは、会社の定款に記されている事業内容にあたるものです。また、売上原価とは事業を行っていく中で売上を上げるために使った費用のことを指します。この売上から売上原価を差し引いたものが「売上総利益」です。

不動産で例えると、5,000万円で建物を仕入れて、1億円でその建物を顧客に販売する。そうすると、1億円(売上高)-5,000万円(売上原価)=5,000万円(売上総利益)の形となります。しかし、この建物を販売していく上で、人件費や広告宣伝費等の費用がこの売上総利益から引かれていくので、最終的な利益の形ではありません。

「売上総利益」は別名「粗利」と呼ばれています。

2. 営業利益

「営業利益」とは、会社が本業で稼いだ利益のことを指します。

この「営業利益」は、「売上総利益」から「販売費及び一般管理費」を差し引いたものです。

「営業利益」=「売上総利益」-「販売費及び一般管理費」の形となります。

ここで出てきた「販売費及び一般管理費」とは、商品やサービスを販売、管理する際の間接的に関わる費用です。例えば、商品やサービスを作って販売して顧客の手元に届くまでが「10」だとすると、「売上原価」はその商品やサービスを作り生み出す「0~1」の費用であり、「販売費及び一般管理費」はその生み出された商品やサービスを管理し販売して、顧客の手元に届ける「2~10」の費用にあたります。

「販売費及び一般管理費」の内訳としては、「管理や販売に携わった人の人件費」「広告宣伝費」「接待交通費」「法定福利費(会社が負担する社会保険料など)」「家賃、地代」等が挙げられます。

会社の「費用(コスト)」は大半が、今までで解説した「売上原価」と「販売費及び一般管理費」です。

3. 経常利益

「経常利益」は、「営業利益」から「本業以外」で得た利益を足して費用を引いたものです。「本業」の定義は上述の通り、会社の定款に記されている事業内容のことです。その会社の定款に記されている事業内容以外が「本業以外」になります。

「経常利益」=「営業利益」+「営業外収益」-「営業外費用」という形となります。

「経常利益」は名前の通り、経常的に発生する利益のことを言います。例えば自然災害での損失や、企業の保有している株が高騰して、売却する際に得た利益はこの「経常利益」に反映されません。

内訳としては、「営業外収益」では「受取利息」と「受取配当金」等が挙げられ、「営業外費用」では「支払利息」と「社債利息」が挙げられます。また、「営業利益」は「本業」で出した利益のみ知ることができますが、「経常利益」は会社全体の「本業」と「本業以外」の利益を足したものを知ることができます。会社の本業と本業以外の利益とどちらも知ることができる「経常利益」は他の利益よりも重視されるものとなっています。

「経常利益」は別名「ケイツネ」と呼ばれています。

4. 税引前当期純利益

「経常利益」では、自然災害での損失や企業が保有している株が高騰して、売却する際に得た利益は計上しないと解説しました。これらを「特別損失」「特別利益」といいます。この時に、計上しなかった特別損益を計上するのが「税引前当期純利益」です。「税引前当期純利益」=「経常利益」+「特別利益」-「特別損失」の形になります。

5. 当期純利益

「当期純利益」は、「税引前当期純利益」から「法人税等」を差し引いた利益になります。「当期純利益」=「税引前当期純利益」-「法人税等」の形になります。「法人税」とは会社が負担する様々な税金のことを指します。この「当期純利益」は会社のすべての費用を差し引いた、最終的に残る純粋な利益の事です。この「当期純利益」が会社が1年間で頑張った最終的な結果となるのです。

まとめ

本記事の解説で「損益計算書」、特に「利益」の部分については理解できましたでしょうか?

様々な種類のある「利益」ですが、それぞれの役割や特徴も異なります。

例えば、「営業利益」は会社の本業であげた利益を知ることができ、「経常利益」は会社が本業以外であげた利益も知ることができます。このように、自分が知りたいことと利益を一致させて「損益計算書」を有効活用していきましょう。

お問い合わせ

ご相談無料です。
お気軽にお問い合わせください。

LINEで気軽に相談!

メールの方はこちら!