保険によく似た制度に共済があります。今回はその共済を使った節税方法について解説していきたいと思います。
目次
共済とはなにか
共済という言葉は聞いたことがある方も多いと思います。保険によく似たものでありますが、保険は民間の会社がやっていますが、共済は法律の根拠のある制度共済、又は地方自治体内、企業内、労働組合内、学校内、地縁団体内などが実施者となっています。そのため、営利を目的としておらず、共済に加入している組合員の互助会のようなものになっています。
さまざまな災難に対する経済的損失の補填と生活の安定を目的としたものであり、一定の地域や職域などで構成される団体によって行われ、そこには「相互に助け合う」という精神が宿っています。
将来発生するかもしれない事故に備え、組合員があらかじめ一定の金額を拠出して協同の財産を準備し、万一共済事故が発生したときにはそこから共済金を支払います。つまり、組合員の誰かが困ったときに、他の組合員が全体で助けるという仕組みです。
節税に使える共済とは
それでは早速、節税に使える主な共済を3つ、ご紹介いたします。
小規模事業者共済
独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する共済で、積み立てによる退職金制度になります。
主な特徴は以下の通りです。
・掛金は一月千円から7万円まで、自由に設定できる
・掛金は全額損金に算入できる
・最大掛金の120%が解約時に戻ってくる
・解約の共済金に関しても、税優遇がある
・掛金の7割から9割が借入可能
全額が損金に算入でき、退職金の積み立てにもなります。また、法人保険とは違い、解約の共済金についても税優遇があります。そのため、入られてない方がいれば、こちらはぜひ加入を検討してみてはいかがでしょうか。
経営セーフティ共済
独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する共催で、取引先事業者の倒産した場合に、中小企業が連鎖倒産や経営難になることを防ぐための共済です。
主な特徴は以下の通りです。
・得意先が倒産した場合に、回収困難となった売掛金債権額等の額、または掛金の10倍(最大8,000万円)まで、無担保・無保証人で借入が可能
・掛金は全額を損金に算入できる
・12か月で掛金の8割、40か月以上で掛金の全額が解約手当金として受け取れる
事業を継続的に実施していくときに、取引先の倒産ということは少なからずあると思います。転ばぬ先の杖という意味でも、当共済を検討する意味はあるかと思います。
中小企業退職金共済
独立行政法人勤労者退職金共済機構の中小企業退職金共済事業本部が運営する共済で、役員以外の従業員の退職金を積み立てる共済制度です。
主な特徴は以下の通りです。
・従業員全員を加入させなければいけない
・役員は加入できない
・掛金は全額を損金に算入できる
・掛金は5千円から3万円まで16種類から選べる
従業員の退職金の積み立てですので、事業者都合では簡単には解約できない点は注意が必要です。そのため、節税効果はありますが、節税対策というよりは純粋な福利厚生の一つとして考えた方が良い制度になります。
まとめ
以上が、節税に使える主な共済になります。法人保険より商品性には乏しいですが、返戻金にも税優遇があったりと、非常に使えるものが多いです。保険か共済かを迷ったらまずは共済から加入する方が、節税効果が高い場合が多下と思われます。
次回は、会社経費の使い方で節税になる方法についてみていきたいと思います。